月報 2020年9月号より 【主なる神が共にいて下さる】

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月報 2020年9月号より 【主なる神が共にいて下さる】

1: 主よ、あなたはわたしを探り、わたしを知りつくされました。
2: あなたは わがすわるをも、立つをも知り、遠くからわが思いをわきまえらえます。
9: わたしが あけぼのの翼をかって海のはてに住んでも、
10: あなたのみ手はその所でわたしを導き、あなたの右のみ手はわたしをささえられます。
16: わたしのためにつくられた わがよわいの日の まだ一日もなかったとき、その日は
  ことごとくあなたの書にしるされた。     

(詩篇 139篇1節~18節:抜粋)詩編 139篇1節~18節

 この詩篇は、主なる神のみ業を讃美している詩篇です。その入り口は、神様が本当に全てをご存知である、全知の神である、ということを讃えて始まります。


 主は、私たち一人一人の全てをご存知である。座るのも立つのもというように、表に現れてくることだけでなく、その思いも。私たちの口から、一言の言葉が発せられるその前から、その意図も全てご存知である。


 そして、そのような主が、どこにでもいらっしゃる、遍在の神であることが語られています。私たちが思いつく限り、いや、その想像を超えて、どこにでもいらっしゃる。


 ただし、それは齢を経た老木や、美しい清水や、猛々しい岩石に宿っているというような、八百万の自然神のようなものではありません。それらは全て、主なる神がお創りになった被造物であり、創造主なる神は、それら被造物の中にではなく、被造物に限られることなく、全てを超えてどこにでもいらっしゃる。世界の中のどこかに神がおられるのではなく、神の御手の内に世界がおかれているということ。それが霊なる神のご本質です。神によって世界が創られるその前から、自律自存であられた、無限、永遠、不変の三位一体の神であります。その神のうちの愛の交わりから、世界が創られます。ご自身の似姿としてお創りになり、特別に愛された人を、そこに置き、治めさせ、神の栄光を表す舞台として世界が用意されたのです。


 そうして、どこにでもいらっしゃる神は、ただ、どこにでもいらっしゃるわけではない。私たちと共にいて下さる、共在の神です。それも、私たちがこの世に生まれて、長きにしろあるいは一時の短い生であっても、その、この世の生を終えて、黄泉で眠りについても、さらに召されて天にあっても、常に共にいて下さる。そうして、み手をもって導き、支えて下さる。主なる神はそのようなお方だ、と告白されています。これを覚えましょう。


 ですから、私たちはどこにいても、また、どのような状況に置かれていても、そこは主なる神の光によって照らされているのだ、ということをこの詩篇は教えてくれています。さらに、その全てをご存知であり、全てをご支配される神が、いつでもどこでも共にいて下さるということが、それが実は、私たちが生まれる前から、もう既に神様の書に記されていた、というのです。


 それは、ただ憐れみと恵みとによって、主なる神が永遠より、御子キリストにおいて、私たちを永遠の闇、永遠の死より救い出して下さることを定めておられた、予定のわざ。真実の救いの御業であることを示しています。


 私たちは今、こうして信仰を与えられ、イエス・キリストを救い主と受け入れる信仰によって、主なる神が常に共にいて下さる恵みのうちに生かされています。この恵みを、すなわち唯一の救い主、御子キリストの十字架の意味と、その贖いに与る聖霊のお働きによって、天国の民とされ、永遠の命を約束され、キリストの体とされる福音。この福音をゆだねられた者として、聖書のみ言に聞き、主を讃美し、また宣べ伝える使命を、少しでも果たしていけるよう、聖霊の一層のお導きを祈りたいと思います。           (土井浩 牧師)

2020年度 メッセージ一覧

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■「キリストの言葉にとどまる」ことが、私たちに真理を知らせます。この真理は、私たちを「自由」にするも…

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■クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日だということは誰もが知っています。しかし実際、いったいど…

月報2020年12月 【助けは天地を造られた主からくる】

◆詩篇121篇 都のぼりのうたと呼ばれる詩篇集から。本当の助けはどこからくるか、という問いへの真実な回…

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■新約聖書は「マタイによる福音書」で始まります。そしてその第一声は「アブラハムの子であるダビデの子、…

みめぐみは彗星のように

■◎旧約時代最後の預言より数百年。ユダヤの民は約束の救い主を待ちながら生活を重ねていました。ある日、…

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■先週に続いて、エペソ人への手紙1章から聖書に聞いてまいります。ここでは「神様のみ旨の奥義」がすでに…

神のご計画

○エペソ人への手紙第1章から。本書間のテーマである教会について、まずはその元である一人一人の選びとい…

落ちた先の世界

■私たち人類の祖アダムが神様の命に背いたことにより、神様との本来の交わりを失った人間は、どのような者…

走りながら聖書をよめ

■本日は「宗教改革記念礼拝」として、その理念である「信仰のみ」「聖書のみ」「万人祭司」ということにつ…

月報2020年10月 【キリストのもとに生きる平安】

◆新型コロナウィルスによってもたらされた、世界中の社会の混乱と変革。その中で、私たち多くのキリスト教…

裁きに示される愛

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■教会で行われる礼拝、またそこで告白される一人一人の信仰は、現実の社会を支える公的な事がらで、ただ個…

礼拝のよろこび

今朝は詩篇100篇より礼拝で求められる3つのこと、①喜び②知識③感謝について示されています。特に王である主…

捧げる恵み (2)

※「捧げることは、神さまから与えられた恵みである」9月6日に続いての第2回です。

月報 2020年9月号より 【主なる神が共にいて下さる】

◎2020年9月号月報では、7月から8月にかけて、礼拝で2回に分けて行った詩篇139篇を取り上げました。礼拝で…

弱さを誇るキリストの僕(しもべ)

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捧げる恵み ~振起日礼拝 ~

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■説教 「キリストの愛に生きる」ピレモンへの手紙8〜20節 (滝田善子 教師) ★この書簡は、パウロから弟…

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■説教「今は恵みの時」~コリント人への第2の手紙 6章1節から10節~ ■「見よ、今は恵の時、見よ、今は救…

月報 2020年8月号「キリスト者の生活の指針」

【 キリスト者の生活の指針 】

キリストにより新しくされる

「古いものは過ぎ去った、見よ、すべてが新しくなったのである」 コリント人への第2の手紙5章17節の、有…

世の光 イエス・キリストの約束

☆この聖書の短い1節で、イエス・キリストは本当に大胆な宣言をなさいました。しかし、このご発言は私たち…

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前回、詩篇139篇の前半から、私たちの、主を褒めたたえるその源は神さまご自身、特にその御業によるという…

神はあなたを知っておられる

■詩篇139篇は、詩篇の第五巻に含まれます。詩篇とは元々讃美歌という意味です。実際にこの詩篇をもって祭…

あなたはどこにいるのか

■要旨 人が神の命に背き、罪を犯した結果は、悲惨なものであった。彼らは神のように賢くなりたいと、禁断…