月報 2022年11月 「キリストの再臨」
16すなわち、主ご自身が天使のかしらの声と神のラッパの鳴り響くうちに、合図の声で、天から下ってこられる。その時、キリストにあって死んだ人々が、まず最初によみがえり、
17それから生き残っているわたしたちが、彼らと共に雲に包まれて引き上げられ、空中で主に会い、こうして、いつも主と共にいるであろう。
18だから、あなたがたは、これらの言葉をもって互に慰め合いなさい。テサロニケ人への第一の手紙 4章 16節から18節
今回はキリストの高挙(高い、栄光の状態)の4つ目。再臨についての聖句です。今、天で神の右に座し給うキリストが、再び地に来られる再臨の日。これは最後の日とも終末とも言われます。最終的な裁きの時になります。しかし同時にキリストの民にとっては、救いの完全形が顕される時でもあります。この再臨におけるキリストの高挙について学びたいと思います。ウェストミンスター大教理問答56問(裏面に掲載)で答えられている、聖書に記されたキリストの再臨の御姿を見てまいりましょう。
キリストは、天からもう一度この世においでになる、ということが約束されています。それは、義をもって裁くため。神の義によって、最終の審判がキリストによって行われます。神の義の完全な執行が、もしキリスト抜きに行われたとしたら。またはアダムの堕落の時点で行われていたとしたら、すでに全人類は滅び失せていることでしょう。しかし、ご自身にかたどって造られた人を、愛して止まない神は、人を救い、あらためて永遠の命へ導くために、猶予を与え、御子を地上に遣わし、罪を贖って下さいました。御子を信じる信仰を与え、それによって罪あるものをそのまま義と認め、ご自身との交わりを回復して下さいました。
キリストが天にいます今現在は、永遠の内から選んで御子に与えられた民の、全員を集めておられる最中だと言うことになります。この間、世界は神の忍耐と恩恵によって保たれ、滅びに至らないように罪を抑制されています。同時に、特別な恩恵によって、キリストの民を彼のもとに招き集め、救いに入れ、万事を益とするため、すなわち選ばれた罪人をキリストにあってご自身の子としてくださるために、世界を摂理なさっています。御子キリストがその権威を授けられ、天から聖霊を遣わして、この世界を統治されています。私たちはそのような時代に、キリストを証しし、神の愛を表すためにこの世に遣わされているのです。
標記の聖句には、キリストの再臨の様子が記されています。今回は再臨における「キリストの御姿」に注目したいと思います。第一に、標記聖句やマタイ伝24章30節にもあるように、キリストは天使を引き連れ、号令と神のラッパに合わせて再臨されます。使徒行伝1章11節で、天に昇られた姿のままで、と教えられます。地のすべての民族が(マタイ24:30)、と言われた通り(同24:30)、誰の目にも明らかに、間違いようがない栄光に満ちたお姿で天から再臨されます。既にキリストが人知れずおいでになっているとか、代理人を先に遣わしておられて、それがこの人だ、と言った主張をするのは、明らかな異端であることが明白です。マタイ伝24章の23~26節では、偽キリストが現れることを、イエス様ご自身が断言されています。
第二は、マタイ24章36節や25章13節にある、「その日は誰も知らない」という点。キリストの再臨の時は、誰にも知らされていません。この時を知っている、と言うことは明らかな間違いです。今まで、多くの人や異端とされた集団が、勝手に再臨の時期を語り、人を恐れさせ、集めてきました。しかし、全ての予想が外れています。神様は誰にも教えられていないことが、聖書に明確に記されています。
キリストは、全ての人に罪を思いとどまらせ、また敬虔な者達をその逆境の中で、いっそう慰める目的のために、「必ず再臨の裁きの日が来る」という確信を与えようとされています。ただし、何時来ても良いようにその備えをしていなさい、ということでもあります。突然その日がやって来ると仰っています。常に目を覚ましているように。「主イエスよ来たりませ、速やかに来たりませ、アーメン」と、用意が出来ているように。あえて、その日を知らせずにおられる、ということです。み言葉が教える、栄光に満ちたキリストの再臨の御姿を覚え、その時を希望と待ち望む信仰を、固くすることできますよう、御霊のお導きを祈ります。
〔牧師 土井 浩〕